16.5. 科学のプロセス : セイラムの魔女狩り事件はカビが原因か
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1692年、マサチューセッツ州セイラムの村で8人の若い女性が奇妙な行動を取り始めた
彼女らは意味不明な言葉を口走り、皮膚におかしな感覚を覚え、けいれんを起こし、幻覚を見るようになった
村の人々は彼女らの症状は魔法によるものだと考え、疑心暗鬼に陥った村人がたがいに隣人を魔女裁判に告発した
秋になって一連の騒動が終息するまでに150人以上の村人が魔女として告発され、20人が処刑された
1976年、カリフォルニア大学心理学科の大学院生が、新たな説を提唱した
観察
報告されたセイラム村の少女らの症状は麦角中毒と一致する 疑問
セイラムの魔女狩り事件の裏には麦角中毒の流行があったかどうか
仮説・予測
歴史的資料を検討し、魔女狩り事件の真相は麦角中毒であることが証明されるだろう
結果
決定的ではなかったが、示唆に富むものではあった
農業関連の記録では、麦角の被害に遭いやすいライ麦が当時セイラム村の周辺で栽培されており、1691年のシーズンは特に温暖で湿潤であり、麦角が流行しやすい条件が揃っていた このことから1691年から1692年の冬に消費されたライ麦が麦角に汚染されていた可能性が高いと考えられた
魔女狩り騒ぎが終息し始めた1692年の夏は乾燥していて、麦角の終息と一致していた
最も重要なことは、記録にある症状が麦角中毒の症状と一致していたこと
セイラム村の少女たちおよび村人たちは、麦角が原因の病気に冒されていたことが強く示唆された
この考え方に疑問を呈し、別の仮説を提唱する歴史家もいる